会員の声

こちらのぺーじでは、森林づくり伊豆の会の活動をより多くの方に知っていただくために、森林づくり伊豆の会に関する会員の声をお届けします。

チェーンソーの安全研修会受講報告

受講日:平成28年9月3日(土)~4日(日)
受講者:計8名森林づくり伊豆の会:内田秀文、渡邉廣太
       新潟県内1名、浜松市3名(女性1名)静岡市2名)
講師:S-GIT石垣正喜さん、米津要さん、久米歩さん、他

講習風景

会場及び研修内容
 静岡市清水区大平の中山間地、創建が西暦858年(1150年前)の鎮札神社境内でチェーンソーワークの基礎、
 目立て、チェーンソーワークのフォーム、ロープワーク。中山間地に拓かれたお茶畑の中に、建てられたS-GIT宿舎での
 座学と「楽しかった懇親会」翌日は、車で約5分の作業現場で伐木訓練を体験。
 参考図書「伐木造材のチェーンソーワーク」
 (発行:全国林業普及協会、著者:石垣正樹、米津要)を読み返して、受講内容を以下に記した。
9月3日(土)9:00鎮札神社境内で受付
 1.オリエンテーション、チェーンソーワークのまえに
  (1)チェーンソーの構造
  (2)チェーンソーの始業点検、作動:燃料とチェーンオイルの量はオイル満タン、燃料8割にすることにより
        オイルが切れる前に  燃料が切れてエンジンが止まりチェーンの焼き付きを防げる。ボルトの弛み、
        チェーンの張り具合、オイルの吐出量、等々。
 2.目立て
  (1)目立ての基本姿勢:ヤスリ、手、腕、肘が水平で一直線になるようにする。
  (2)ヤスリの枝と握り方: 目立て角度に注意して一番短いカッターを基準に始める。
   (3)目立ての症例と対策
     (イ)フック:上刃が出すぎている。良く研げている。食い込みすぎてエンジン等の負担が大きい。
     (ロ) フックの原因:ヤスリを持っている手元が水平より上にある。
     (ハ) フックの修正:ヤスリの手元を水平より下げて上向きに数回研いでから、横刃の状態を確認して水平に戻し研ぎ直す。
     (二)バックスロープ:適正に研いでいても起こりやすい症状。刃先が後方に傾斜している。
     (ホ)バックスロープの原因:フックと全く反対の研ぎ方。手元を水平より下げて研いでいる。
     (へ)修正:手元を水平より上方に上げて下方に研ぐ。特に横刃の状態を確認しながら行い、
         目立て角度が80°~85°になったら水平に戻して研ぐ。  
     (ト)デブスの調整:カッター先端の高さを基準に、ゲージを使用して突起の方を平ヤスリで研ぎ調整。
         さらにチェーン進行方向のデブスゲージ先端に平ヤスリで丸みを付ける。(面取りをする)
4.チェーンソーエンジンの始動
(1)地面に足で固定して始動:チェーンが障害物に接触しない場所で、前ハンドルを左手でしっかり握り上から押さえて
     後部ハンドルの下部を右足で確実に踏み固定して始動。
(2)足に挟んで固定して始動:前ハンドルのカーブ付近をしっかり握り、後部ハンドルを大腿部で挟みチェーンソーを
     右に傾けるようにしてホールドして始動。
5.チェーンソー操作の基本姿勢
(1)立ち姿勢:チェーンソーが身体の右側、ほぼ腰骨近辺に後部ハンドル、右足が軸足、左足は前方に踏み出した形になる。
     右目にはガイドバー左側面が見える状態が重要。万が一大きくチェーンソーがキックバックした時でも顔正面に
     当たることがない。
(2)中腰での基本姿勢:折り曲げた左膝付近で左腕を支え、右腕は右大腿部に肘、膝近くに手首の後ろが付くように、
     チェーンソーを確実にホールド。腕を両足(膝)に付けて支えることで、腰にかかる負担も軽減する。
(3)膝を着く基本姿勢:脇を締めて右腕を右腰骨に付けた「立ち姿勢」の形になり、右腕は中腰の時と同様にする。
     腰への負担・上体の姿勢・チェーンソーの保持等の面で、中腰姿勢よりもの姿勢。
6.伐木作業でよく使うロープワーク(安全確保のためのロープ使用)
(1)舫い結び:船をつなぎ留めるときに使用する結び方。一定の長さを環にして結んだ後ロープに力が掛かっても
     その環が締まらない。締まっては都合の悪い時に便利。
(2)引き解き結び:ロープを引くと幹を締めるように環が小さくなり、
     立ち木に掛けて対象木を引くのにシンプルで使いやすい結び方。
(3)梃子結び:ロープを木に巻き付け、後に回したロープを左手前に出し、力が掛かって引かれるロープを下側から
     上側へ越し、木の後ろを回して、右側の環に引かれるロープをもう一度上側から越し、下側から端を差し込んで
     引き締める。シンプルで確実な固定ができる。
(4)巻結び:ブースタースナッチを留める結び方。2個のスナッチ(滑車)を使って3倍の力で対象木を引くことができる。
7.座学:林業・木材製造労働災害防止規定、関係法令等(平成27年10月25日適用、抜粋)
(1)チェーンソーを用いた伐倒作業での立ち入り禁止区域の拡大従来、
     伐倒木の樹高の1.5倍としていたものを樹高の2倍以上に拡大した。
(2)チェーンソー防護着の着用を義務化(従来は努力義務)
(3)チェーンソーによる振動障害及びその予防に関する知識:使用するチェーンソーの「周波数補正振動加速度実効値の
    3軸合成値」が把握できないものは、類似のチェーンソーの「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」
    aを参考に振動曝露限界時間を算出し、これが2時間を超える場合には、1日の振動曝露時間を2時間以下の
    できる限り短時間とすること。1連続の振動曝露時間は、10分以内とすること。
    連続長時間の作業には注意が必要。
    *振動曝露限界時間、日振動曝露量の計算式は「安全衛生特別教 育規程」チェーンソー取扱い作業指針の項参照。
9月4日(日)車で約5分の作業現場で実技訓練 
伐木訓練
8.斜面における伐倒方向とその作業性:(1)~(5)の番号は、立ち木の諸条件により、
   追い口切り、追いヅル切り等自由に使いこなす作業者から見た時の伐木の難易度を示す。
(1)下方伐採:重力に最も逆らわない方向。ツルの強度が左右同一とみなせるものが多い。ツルの幅を左右同一にできる。
     追いヅル切りを行えば、作業者にとって労力、安全性の面で最も行いやすい。皆伐のように障害物の無い状態では、
     倒れるときの速度が最も大きく伐倒木の折れ・ヒビ等、材の損傷が起きやすくなる。材として利用の時は不適。
     捨て切り間伐のとき、下方が開いていれば、効率的な方向。
(2)斜め下方伐採:ほぼ下方伐採に準ずるが、重心に片寄がある。山側のツルの幅を厚く、強度を強くする必要があるが、
     労力、安全性の面でも(1)の下方伐採に準ずる。
(3)上方伐採:切り方は、ほぼ上方伐採に準ずるが、重心に片寄りがあり、その面では上方伐採よりツル造りに難しさがある。
     クサビを打つ労力は上方伐採より小さくなる。
(4)上方伐採:全くの起こし木で、重力に最も逆らった切り方。クサビを打つ労力が最も大きく、その面で大変。
     ツルの強度は左右同一とみなせる。ツルの幅は左右同一にできる。起こし木であることからツルの幅を厚くして、
     クサビを打つことで強度を確かめやすく徐々に切り進めることができる。伐木の基本を最も体現している。
(5)横伐採:谷川に枝葉が多く、重心が立木の外側(谷側)にあるものが多い。また年輪幅も山側、谷側で違っている
     ものも多い。従って山側、谷側のツル強度の判断が最も難しく、山勘になりやすい面がある。この様なことから、
     的確な判断が要求される伐木において最も難しい方向。枝払いの時、最も転がりやすい方向で事故も起きやすい。
9.伐採前の準備作業:指差し安全確認の手順・合図
(1)上方よし:枝がらみ及び蔓類がある場合、隣接木を巻き込んでいないかどうか、対象木上方、隣接木上方からの
     落下物の有無の再確です。これはなによりも作業者本人の安全確保にあります。また、上方からの物に備えると共に、
     作業者にとって脅威になるのは、伐倒した木の衝撃により周囲にあるものが飛来してくることです。
(2)周囲よし:自らの防御と同時に予定伐倒方向以外に倒れる可能性に備えて(横方向に倒れる可能性が特に高い)、
     伐倒木に2倍の周囲360°内に不用意に他者が入っていないか、他社への備えをすること。
(3)前方よし:伐倒予定方向そのもので、他者が入っていたら最も危険な場所です。前方が伐倒木の2倍以上見通せる
     場所にあれば、作業者の位置から確認できますが、伐倒木が届く範囲に窪地や段差がある場合は、
     前方を見通せる場所にいる人に遠くから確認してもらうなり、作業者が確認しに行く必要があります。
     また、この前方確認において、伐倒木の高さ、すなわち長さの目測を誤り、事故を起こす例があるので注意が必要。
(4)足元よし:以上の確認終了の後、「足元よし」でこれから作業に当たる作業者自身の足場をもう一度確認し、
     角上に出ている灌木等あれば処理し「退避方向よし」で退避経路・退避場所を再確認します。
(5)退避方向よし:経路・退避場所を再確認します。退避経路・退避場所は、2~3mの範囲内で移動しやすく
     安全な場所(立ち木の陰)を設定すべきです。伐倒木から遠く離れるに越したことはないが、移動距離が長いほど
     退避場所に着く前に木が倒れることがある。移動に余裕がないため、急ぐあまり転倒、滑落等を起こしやすくなる。
     これら諸確認は、指をその方向に差し示しながら行うことで作業者が自分自身に確実に認知させる重要な意味を持つ。
     決して儀式的な意味ではない。
10.指差し安全確認と伐倒作業開始の合図
(1)伐倒開始の予告合図:(笛1回・大声で周囲に確認させる)
     👉その後受け口切り
(2)受け口の作成開始・受け口方向の確認👉伐倒方向よし
(3)退避確認本合図:(笛2回・大声で周囲に確認させる)
     👉その後追い口切り・クサビ打ち(オイヅル切りの時は後方のツルを切り離す前に退避確認本合図を行う)
(4)周囲の安全確認・退避確認をした後、👉木を倒す。
(5)周囲の安全確認終了合図:(笛1回・大声で周囲に確認させる)
11.伐倒方法・手順(追い口切り・追いヅル切りの2種類がある)
(1)根張り切り
 (イ)小径木の伐倒では、根張りがあっても特に除去する必要はない。径が大きく伐倒しにくい
    (チェーンソー操作がしにくい)物はあらかじめ取っておく必要がある。
 (ロ)偏心・腐れ・空洞・片枝など特異な物がある木は、根張りを切ってはいけないものもある。
  (ハ) 追い口側(伐倒方向の反対側)の根張りは切らない。
 (二)正面にある根張りは、ほぼ除去されるので別にして、受け口正面からずれているものは一工夫が必要。
 (ホ)重心の左右を安定させるには、受け口の幅ができるだけ広い方が良い。そのために、
      受け口方向に斜めの根張りがある、これを切断しておけば受け口を作りやすく、受け口の幅も広くできる。
(2)受け口の作成
 (イ)受け口を作る目的:伐倒方向を確実にするためと伐倒の際、材の(割れ)を防ぐため。
 (ロ)また、できるだけ有効利用するために、伐採点(追い口などを入れ位置)をできるだけ低い位置に作る。
 (ハ)受け口の深さは、標準として直径の1/4(25%)程度を目安。
(3)斧目(隅切り)
 (イ)目的:元口の引き裂けを防止して、材の有効利用のために行う。
 (ロ)斧目の位置:受け口の下切りの高さから1cm下のころから立ち木に対して30°~45°程度の角度で、
      受け口前方か後方からツルの両端に斧目を入れる。
 (ハ)深さと幅:チェーンソーの幅半分から最大2/3程度の深さでツルを中心に、ツルの幅の2~2.5倍程度の幅で入れる。
12.伐倒
(基本1)追い口切り
  (イ)追い口の高さ:通常受け口下切りから2/3程度。伐根直径の15%~20%の高さ。
  (ロ)ツルの厚さ(強度)の目安:伐根直径の1/10程度を一応の目安。
  (ハ)ツルの形状による伐倒方向の違い:ツルを厚く作った方へずれて倒れる。
(基本2)追いヅル切り
  (イ)受け口をつくり、斧目を入れる。
  (ロ)突っ込み切りを行い、通常のツルをつくる。
  (ハ)追いヅルをつくる。
  (二)鋸道にクサビを軽く打ち込んでおく。
  (ホ)最後に追いヅルを切り離す。
13.追いヅル切りの訓練:安全確実な伐倒技術
 (1)伐倒の各作業要素、すなわち根張り切り、受け口つくり、隅切り、突っ込み切り、追い口切り、
      各種チェーンソーワーク等、すべてがこの技術の中に入っている。
 (2)この技術を訓練しておけば、自ずと伐倒のすべてが身に付く。
14.伐根の点検:伐倒のすべての履歴がそこにある。
 (1)伐倒の状況と伐根の観察:伐倒が終わったとき、倒れるときの状況と伐根を観察して、伐倒方法をチェックし、
      自らの伐倒技術の向上と安全の確保に役立てる。
 (2)受け口・追い口・芯切り・追いヅル・斧目の観察
  (イ)伐倒方向は、予定通りか(木の曲がり・重心方向・ツルの残し方により変わる)。受け口の方向を確認する。
       下切りは水平か、下切りと斜め切りの会合線の一致は良いか。
  (ロ)追い口の位置・切り込み方・は良いか。(水平か、ツルは予定通り残っているか)
  (ハ)芯切りは適切か。:伐倒の諸条件により行ってよい時と悪い時がある。
(3)ツルの状態の確認:ツルの働きは、作業者の命を守る大切なものです。
  (イ)大きさは良いか。
  (ロ)裂け・引き抜け等していないか。
    ・ツルが曲げられ、全体的に引きちぎった跡が残されていれば、目的通りに利いていた。
      片側に集中しているのであれば、その反対側は切り込み過ぎか、ツルの欠けが発生している。
    ・切り株にちぎった部分が一切確認されず、受け口会合線の位置でかけたようになっていれば、
      ツルの機能を全く果たしていない。切り込み過ぎ。
    ・ツルは確実に引きちぎられ機能しているが、ツルの形は中心部で厚く残っている。これは、
      中心部の切り残しで芯抜けをおこしやすくなる。
15.枝払い:伐倒した木の枝払いの注意点。
 (1)枝払いする材とその周辺を点検し、材の安定を確認のうえ、足場を確保し行う。
 (2)転倒・転落の恐れがある材の上での枝払い作業は行わない。
 (3)枝払いは、原則として山側に立って行い、元口から先端へ向かって行う。
 (4)枝は材面に沿って、切り口が平滑になるように切ること。
 (5)長い枝は一度に切り落とさず、幹から30cm以上のところで一度切り、根元を切ることにより、
      枝の裂けや跳ね返りを防ぐ。
 (6)伐倒した時、地面との間で押さえられて弓状になっている枝は切り込みを入れて反発力を弱めてから根元を切る。
 (7)枝払い作業は、キックバックの危険があるガイドバーの先端で枝を切らないようにする。
 (8)枝を切っている最中に、ガイドバーの先端が木や他の枝に接触しないようにする(キックバックの恐れがある)。
 (9)同時に二人以上で、同一の材の枝払いをしない。
16.造材・玉切り:造材とは、伐採した木を使用目的に応じて長さを決め、切り離すこと。
     切り離された木材は「玉」と呼ばれる。根元から1番玉・2番玉、特に根付き一番玉は、根玉と呼ばれる。
 (1)片持ち材切り離し方
   ①下方からガイドバーを挟まれない程度に切り上げ②自分の方にチェーンソーを引きバー先端部を使用して
   上側まで切り上げ③この鋸道を利用して上から一気に切り下げる。
(2)両持ち材のり離し方
  上述の③上側を切る→②自分の方にチェーンソーを引きバーの先端部を使用して下側まで切り下げ→①この鋸道を
  利用して下から一気に切り上げる。
  以上、2日間の受講内容を思い出し参考図書を読み返しながら箇条書きに記した。
17.おわりに
  今回の受講を基に、さらにチェーンソーワークの技術と知識を向上させ、山作業を安全に確実に進めることを目指します。
  ご指導いただいた講師陣に感謝するとともに「森林づくり伊豆の会」の援助に感謝します。

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森林に入ると

森林に入ると、五感が研ぎ澄まされます。

間伐地までの道すがら・・・
川沿いを歩いて、作業場まで向かいます。

川や滝が流れる音。
霧を含んだひんやりとした空気が肌にふれます。

間伐地のふもとにたどりついたら、
チェーンソーやロープ、燃料などの機材を担ぎ、いざ斜面へ。

急斜面を、自分の足で登ります。

落ち葉や木の枝に覆われた土を踏みしめる感触。
道なき道を上るスリル。
そして先人が斜面につくった足跡を見つけた時の、なんとも言えない安堵感と、
ありがたみ。

作業場についたら、初心者でもチェーンソーを使って木を切ります。

利便性と危険が隣り合わせのチェーンソーを握った時の、ずっしりとした重み。
刃が木を削っていく振動は、手から全身に伝わります。
そして、
木の切り口やおがくずから湧き出る、新鮮な木の良い香り。

ベテランさんが大きな木を1本、きれいに切り倒したときには、
ずどーんっっ、と重量感のある振動が足の裏から伝わって、爽快感。

作業を終えて山を下るときには、心地よい疲労感。

間伐ボランティアは、普段からだに眠っている感覚を呼び覚ましてくれます。
はじめてでも、ベテランさんが手ほどきしてくださいます。
ふだんはまちに暮らす方々も、ぜひ森に入ってみてください。

引地 奈美

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神隠し

近隣で山菜取りのおばあさんが行方知らずとなっている。
山で道に迷ってのことだろうが山の神様の仕業とのうわさも広まっている。
先日、5/10に封切りになった“WOOD JOB”を観てきた。三浦しをん原作の「神去なあなあ日常」を映画化したものでウオーターボーイズの矢口史靖監督が就職先のない都会の若者が軽い気持ちで三重の山奥にある林業家へ身を預け恋心を糧に田舎の生活の佳さを体得してゆく姿をコミカルに描いたものである(映画と原作は大部イメージが違うが)。

どうも古臭くていけないが、神去山で大祭があり神域に子供が入り込み行方不明になった。山の神が誘って連れ去ったのを無心の若者が連れかえり村に同化した内容だ。ここに出てくる神様は白いきれいな手をおもちで子供も、助けに行った若者も神域に誘われていった。”神隠し”は神聖な山を敬う昔の知恵だったのだろうと思いをめぐらす。

さて、私にとって筋書きはどうでもよいのだが、映画シーンの中に枝打ち作業、種取りのための大木へのぼる姿、助演の伊籐英明がご神木を伐倒するシーンは見応えがあった。一見の価値ありである。

今ちょうどベストセラ~となっている“里山資本主義(NHK)”なる本を読んでいるが地方の山村でペレットボイラーで生活の価値観を全村で変えた内容の本である。地方での資本価値の大変換は想像するだけで楽しくなる。こんな世相をよそにここ伊豆の地の住民はどんな意識かなあと振り返る。

(徳間文庫 カバーを掲載させていただいた)

が、しかしである。この映画を一緒に見た館内の人を数えると
な、なんと・・7人だった。いっぱいの映画館で観賞後、少しは森林づくりに参画してくれそうな人に声をかけようと思ったが意思消沈してしまった。

前評判のわりには地方のせいか都会人の自然に対する意識とは隔世の感があることに気付く。

今後、この伊豆の地で森林づくり活動を続けるには「地道に、焦らずじっくり」がよいのか大体的な打ち上げ花火をあげるのかが思案どころだがよそ者の私には前者が選択業かなと思っている。

 森林づくり伊豆の会
川合正恭

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森の思い出

東京から伊豆に移り住んで15年近くなる。当地の人達と親しくなろうと思って森林ボランティアグループに入った。このグループが現在の「森林づくり伊豆の会」の前身だ。

活動は主に山林の間伐作業で、数十年振りに杉、桧林に入って小さい頃のことを思い出した。子供の頃の燃料は殆んど薪で料理はカマドで煮炊き、冬は自家製の炭を囲炉裏や火鉢に入れ暖をとり、風呂を沸かすのも薪だった。

ほとんど毎日薪拾いで山に入った。杉の枯れ枝は格好のカマド燃料で、木に登って枯れ枝を取った。他人の山に入って木に登って枯れ枝を取っても、怒られることは殆んどなかった。山には野イチゴやアケビ等の果物が沢山あり、採って食べた。

山の中は明るく、山に入っても怖いことはなかった。家を建てるときは自分の山の杉、桧、松等を使って建築屋が発動機で廻す製材機を持って来て、殆どの建材を作った。

伊豆に来て、森林ボランティアで山に入り驚いた。外から見るときれいだと思ったが、入ってみると暗く、山肌は土や石がむき出しになり、雨水で洗い流されていた。陽が入らないので、草木が生えず、保水性がなくなっているのだろう。

伊豆に来て数回台風に会い、何個所も山崩れを見た。ボランティア活動しながら間伐で山も木もきれいに、強くなるだろうと思う。日本は国土の70%が森で、その恵みは計りしれない。

昔は国内の材木が建築材料に利用されたが、現在は殆んど外材だ。いずれ外材も入りにくくなるだろう。木は建材だけでなく、地球の環境問題にも寄与している。炭酸ガスの吸収、防災にも役立つ。子供の頃はこのようなことは考えもしないで走り廻っていたことを思い出している。

若い人達が森林ブランティア活動に参加して、思い出を作ってもらいたいと思う。

伊豆の会

城ヶ﨑次雄

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丸太の行方

この数日、生業である木工の材料となる木をいただきに山へと足を向けています。
融けきらない2月の大雪の残りや積もる雪の重さに耐えきれずぽっきりと折れた枝や
ぐにゃりと曲がった竹がそこかしこにあり、雪かきに追われた数日間を思い出します。
折れた枝や倒木の片付けをする姿もまだ見受けられます。
人が庭木、街路樹などを切る理由としては

・痛んでしまい倒木の可能性がある
・大きくなりすぎてしまった
・整備

などで、業者さんが入る場合はそのほとんどが「処分」対象となり費用をかけてチップになったり、焼却処分になります。
間伐材は大抵の場合、その場でやがて土になるまで積み置くのがほとんどでしょう。
山に積み置いても台風などの大雨で流され沢をせき止めて鉄砲水を発生させてしまうことがあると聞きます。どうあっても切られた木は「やっかいもの」として扱われているようです。
工場の暖房を薪ストーブで賄うようになり耳にするのは

・薪が手に入りやすかったら薪ストーブにした
・薪ストーブを使っているけれど薪を手に入れるのが大変
・ホームセンターで買う薪は割高で灯油より高いものになってしまう
・数少ない薪の販売所はいつも品不足
・木が手に入っても薪にする労働力がない

という声です。 森や山との関わりが近くなって知ったことは、たくさんの木が活かされることなく処分されていること、薪としての木を切望する人たちがいる一方で「やっかいもの」の処分にいらだつ人たちがいる。

このバランスがとれることで「平和」な空気が生まれないだろうか?
木に限らず誰かの不要が誰かの必要であることはたくさんあると思う、儲けることを一番に考えるとこのバランスがとれる時代は訪れないかもしれない・・・
でもそうでなければ?

「理由あって切られた木」を材料に「地域の財産である身近な材料で心豊かな暮らし」を実現しながらも丸太の山を見てあまりにも微々たる活動であることにため息が漏れます。  大きな転換が必要なのだなと感じる今日この頃。

Kina wood kitchen style
菊池 奈美

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木と語り合う楽しさ

2月14日の大雪で、かなり多くの木々の枝が折れ、スギやヒノキの幹が裂け落ち、竹も被害を受けている。この地に移り住んで、これほどの状況になったのははじめてである。

そうなった要因は、いくつかあると思うが雪質が湿っていて着雪したこと、間伐等の手入れがされず丈夫に育っていないこと、伊豆の地域ではこれ程短時間の降雪は少なく、樹木が着雪に対して対応しきれないこと等が考えられる。

雪による被害は、日本海側の豪雪地帯ではよく耳にするが、この度のような状況とは異なり直径10㎝程の枝や幹が裂けたり、折れるようなことは少ない。

樹木は、自然環境に適応して形や生態を有している。たとえば、「垂れ」は北方が生まれ故郷である。一番の原因は日光が斜め上方や横から当たるためであるが、この樹形は着雪しにくい。他方、暖帯や熱帯地方の樹形は横に平扁なものが多いのは真上から日光が当たるからである。間伐作業に入った所でも、この木はどうしてこんな形をしているのか、なぜ枝がこちらに出てないのかと考えたりする。それでも、日光の奪い合いや、風・雪、まわりの木々との競い合いの結果と考えられる。どの木も必至に生きようとしていることがうかがえる。

切り株の年輪から、方位がわかると子どもの頃に教えられたが、生育環境でよくわからないものもある。自然はそんな単純ではなく土質、日照、風雨、植生、地形等々の環境要因の総合的なところをもとに木々は育っているからであると考える。切り株をよく見ると年輪の巾やゆがみなどから、成長の良し悪しや、生長の早さ等が推し測れる。また、樹冠を見ると周囲の木との関係や個性が見えてくる。森の中を歩き、様々な木々を観察すると多くのことを学ぶことがある。

伊豆に住むに当たって、工務店の人に地元の木を使って家を建ててほしいと依頼した。しかし、スギは天城産であるが、ヒノキは天竜産ということになった。拡大造林で植えたヒノキ林が、これ程多くあるのに建築材がないというのである。人が植えた樹木は、ずっと人がかかわらないと生育できない。庭園木も鉢植えの木もそうである。

木と関わり、森を育てて生きてきた生活文化は、ずっと昔から日本にあった。西洋の石の文化と異なり、木を通じて、森を通じて私たちは日本人としての感性を豊かにしてきたのではないだろうか。経済至上主義の社会における効率優先の考え方をやめ、自然の営みに目を向け共生していく生き方に方向転換をしていかないと私たちの生活も行きづまると考える今日この頃です。

 

                      「森林づくり伊豆の会会員」

 渡辺 泰夫

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「森林づくり伊豆の会」の活動を振り返って

私は3年半前、内閣府「地域社会雇用創造事業」のグランドワーク・インターンシップの実地研修に参加したことが森林づくり活動の始まりとなります。活動の動機としては、多少でも地域に貢献したい、放置された森林の再生、間伐材等を含めた資源の活用などあげられます。

今までの活動を通じて感じることは、間伐した杉、ヒノキやその他木々の活用が十分されていない、本当に勿体ないことだと思います。

3年前、グランドワーク・インターンシップの英国出張研修で、ウッド(木材)リサイクルのNPO法人を視察しました。不要になった木材を回収し、再利用できるよう木材を加工し販売するNPOでした。英国でも木材などの資源を大切に活用していると感じました。

しかし日本の森の中は木材や資源の宝庫です。また手入れが行き届かないため立ち枯れになった木々や台風など根こそぎ倒れた木などもあります。人がもう少し手を加えれば防げたと思われます。

私は森林の中の資源をいかに活用するか関心と興味があります。毎年12月に環境展示会「エコプロダクツ」が開催されます。昨年の展示会にも見学と視察をかねて参加してきました。おもにエコを取り扱う製品紹介ですが、企業やNPOなどによる森づくりや木材利用、環境教育、都市山村交流なども紹介されております。森林づくりを含めて会の方々と一緒に考えていければと思っております。

また「森林づくり」に対し、一緒になって活動するメンバーを増やしていく必要もあります。杉やヒノキの花粉問題、森林の土砂崩れや洪水、気候変動など、森林の手入れが必要と感じる人々は多いと思います。

「森林づくり」を多くの方々に理解していただき、ともに活動する輪が広がっていけばと感じております。

 

森林づくり伊豆の会会員 内田 秀文

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皆で森林整備を そして減災へ

伊豆市議会議員  青木 靖
            あおき やすし

私は、山体崩壊を伴う様な自然災害は、森林整備で減らすことが出来ると考えています。

山が「くむ」と言われるような崖崩れ・土砂崩れの多くは、スギ・ヒノキの人工林で発生していることは周知の事実だと思います。

そもそも火山活動で出来た伊豆半島では、硬い火山性地盤の上に比較的薄い表土があり、そこに植物が根を張って生えています。元々滑りやすい山の斜面へ、根の張り方が浅く(それゆえ倒れやすくもある)針葉樹の杉や檜を植えて育てていけば、表土にかかる圧力が増していき潜在的に地滑りを起こしやすい条件ができてしまっているはすです。

わが国では昭和20・30年代に土地本来のカシなどの自然林を伐採して、木材生産や水源造成を理由に拡大造林を推進しました。

しかし、結果的に、スギ・ヒノキを植え過ぎた、とは言えないでしょうか?

その後のスギ・ヒノキの人工林は、(木の寿命からすれば短期的な)木材価格の低下傾向が影響し、良材育成に不可欠な間伐作業等を放棄されて過密に成長し、それが原因で本来の生態系さえ乱し、多くは健全なあるべき姿の森林からはかけ離れているようです。

近年、ゲリラ豪雨的な雨の降り方が多い傾向にあることは、マスコミでも報じられているところです。過密で手入れ不足で下草も生えないような保水性が低いスギ・ヒノキの山が崩れ、木が川に流れ込み、堰き止め湖を作り、それが崩壊し鉄砲水になり、さらに下流域に被害を出すような危険性が増しています。

結局、人が植えた木は、必要が有るなら、人が面倒を見るしかないのだと思います。

山が崩れれば被害が出るし、災害復旧に多額の税金が使われることにもなります。

今や森林整備は、経済効率の議論から切り離して進めていくべき課題になっていると考えます。いろいろな方法があると思いますが、まず、多くの人が自分の問題として人工林の整備に関心を持っていただくことから始めなくてはいけないのでしょう。

目標としては、三十年から五十年育ったスギ・ヒノキを災害の元凶にすることなく有効に活用し、さらには、本来の元々あった木々の森をもう少し増やして、山を昭和の拡大造林前に近づける方向に持って行きたい。

そうすることが山の原生植物や野生動物から海の海藻や魚介類に至る生態系を正常に機能させ、災害にも強いあるべき姿の森林を作っていくことにつながると思うのです。

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僕の初夢

新年あけましておめでとうございます。

日頃から森林再生事業のボランティア活動に
ご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。

「僕の夢は、毎月の森林ボランティア活動に二十代から三十代の新人が十数名参加し、チェンソーの操作をベテランの仲間といっしょになって一対一で指導している姿でした。聞くところによれば地元の森林組合に就職した若者達らしい。 独身用の宿泊所を備えており全員が生き生き仕事をしているを見で 誠に素晴らしい光景でした。これで僕たちの肩の荷が下りると思えばうれしい限りでした。」

これは、日頃活動している仲間達の高齢化が進み十数年前のようにバリバリ活動できなくなっているからではないだろうか。

材木価格の下落で林業が立ち行かなくなって半世紀、数年前から森林税が導入されている。十年間、県全体で八十四億円が徴収されることになっている、しかし、誰も何時どのような形で徴収されているかを知らない、今までこの税金で伊豆地区の森林整備が行われていかも知らない。この税金で森林整備を行うとすれば、少なくともに二、三百年かかる計算になる。  また、毎年いたるところで災害が発生している、年間どれだけの税金が投入されているかも殆ど知らないし、関心もないように思う。

あらゆる人達が自然のありがたさを感じ、自然の恵みを無尽蔵に日々いただきながら、自ら体を使って自然環境の保全に身を投ずる人が殆どいないことが情けない思いです。 このような世の中を作ってしまった大きな原因は、あらゆるものが”金“で解決させる世の中になってしまっている為ではないでしょうか。

その中でも、自然環境は、誰からも文句を言われることなく全てがただで手に入ることが当たり前であると誰しもが無意識のうちに思っている。  この森林税は、人間が自然を”金“で買っている姿に間違いないと思わざるを得ない現実の姿である。

僕の初夢は、このような背景が既成概念として存在していたからからではないでしょうか、よくよく、考えて見れば、この夢を正夢に実現出来るのではないだろうか。既に、森林税の導入が実現しており、大人一人当たりの税金の額を千円位に上げれば実現可能になってくる。(すべてが金で解決してきたノウハウを自然環境へ広げていけば、問題がないのではないか) 先般、川勝県知事が、富士山が世界遺産として認定されれば入山料を徴収すると言っておられる、大賛成である。

これが実現すれば、森林組合の活性化が可能となり大きな雇用を生み出す事が出来、社会貢献につながってきます。要はやるかやらないかの問題と思う。少子高齢化がどんどん進む中で近い将来、具体的な対策を早く導入せざるを得ない時代が来ていると思います。

また、僕たちが目指す“山が綺麗になれば、川が綺麗になり、住んでいる町もきれいになる、そしてそこに住んでいる人の心も綺麗になる”に確実に繋がってくると考えます。

今までの林業家が培ってきた親子二代で成木を育てて来たサイクルに近づくように思います。

山田正興(森林づくり伊豆の会 会長)

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