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木と語り合う楽しさ

2月14日の大雪で、かなり多くの木々の枝が折れ、スギやヒノキの幹が裂け落ち、竹も被害を受けている。この地に移り住んで、これほどの状況になったのははじめてである。

そうなった要因は、いくつかあると思うが雪質が湿っていて着雪したこと、間伐等の手入れがされず丈夫に育っていないこと、伊豆の地域ではこれ程短時間の降雪は少なく、樹木が着雪に対して対応しきれないこと等が考えられる。

雪による被害は、日本海側の豪雪地帯ではよく耳にするが、この度のような状況とは異なり直径10㎝程の枝や幹が裂けたり、折れるようなことは少ない。

樹木は、自然環境に適応して形や生態を有している。たとえば、「垂れ」は北方が生まれ故郷である。一番の原因は日光が斜め上方や横から当たるためであるが、この樹形は着雪しにくい。他方、暖帯や熱帯地方の樹形は横に平扁なものが多いのは真上から日光が当たるからである。間伐作業に入った所でも、この木はどうしてこんな形をしているのか、なぜ枝がこちらに出てないのかと考えたりする。それでも、日光の奪い合いや、風・雪、まわりの木々との競い合いの結果と考えられる。どの木も必至に生きようとしていることがうかがえる。

切り株の年輪から、方位がわかると子どもの頃に教えられたが、生育環境でよくわからないものもある。自然はそんな単純ではなく土質、日照、風雨、植生、地形等々の環境要因の総合的なところをもとに木々は育っているからであると考える。切り株をよく見ると年輪の巾やゆがみなどから、成長の良し悪しや、生長の早さ等が推し測れる。また、樹冠を見ると周囲の木との関係や個性が見えてくる。森の中を歩き、様々な木々を観察すると多くのことを学ぶことがある。

伊豆に住むに当たって、工務店の人に地元の木を使って家を建ててほしいと依頼した。しかし、スギは天城産であるが、ヒノキは天竜産ということになった。拡大造林で植えたヒノキ林が、これ程多くあるのに建築材がないというのである。人が植えた樹木は、ずっと人がかかわらないと生育できない。庭園木も鉢植えの木もそうである。

木と関わり、森を育てて生きてきた生活文化は、ずっと昔から日本にあった。西洋の石の文化と異なり、木を通じて、森を通じて私たちは日本人としての感性を豊かにしてきたのではないだろうか。経済至上主義の社会における効率優先の考え方をやめ、自然の営みに目を向け共生していく生き方に方向転換をしていかないと私たちの生活も行きづまると考える今日この頃です。

 

                      「森林づくり伊豆の会会員」

 渡辺 泰夫

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